シャニマス三百二日目。
相変わらず樹里センターで伝説の一瞬に挑戦すると大体メンタル落ちします。いやこれ編成が悪いですね。
「どんな組織にも一定のルールがあるわ。国の法律然り、宗教家の戒律然りね。あたし達にもそれがある。他人よりも豊富な知識と力を持つからこその、大事にしなきゃならないことが、ね」
「……あのローブの男は、それを破った?」
「そうよ。エラムは力を求め、命を命とも思わないような、人の道から外れた研究をして一門から追われたの」
テロルの声が低くなる。
「魔法使いと一括りにされちゃあいるけど、さっきも言ったようにいくつも分かれているのよ。一枚岩なんかじゃないわ。普通、一門の罪はその中で処分するものなんだけど……」
「処分……」
ケトルは思わず唾を飲む。得体の知れない感情が空気の底を這い上って来る気がした。
「あいつは人を雇って一門の追手を返り討ち。だから一門は恥を捨てて一門の外に討伐依頼を出したってわけ。今回は上層部経由であたしに勅命が来たわ。あたしはそういう連中を狩るのが上手いって評判だもの」
ぞっとした。ケトルは粟立つ両腕を押さえる。淡々と語るテロルに恐怖を覚えた。
「ころす、の……?」
その単語を口にするだけで緊張が走る。
テロルは手をぱたぱたと振った。
「まさか! ちょぉぉっとぶちのめすだけよ。あいつの一門も身柄の引き渡しがお望みだし。……引き渡した後どうするかは聞かなかったけど」
「今! 今なんだかボソッと!!」