冲方丁


再読。


国連都市襲撃事件。時を同じくして勃発した空港占拠事件。当初は無関係と思われていた二つの事件が、ある人物の残した電話からその全貌を明らかにする。

ドラゴンマガジンに掲載された短編と、書き下ろしの長編を収録。
おかげで刊行当時は富士見ファンタジア文庫で一番分厚い本でした。すぐ後に『召喚教師リアルバウトハイスクール』最終巻が記録を抜かしましたが。

短編は三巻の事件後、MSSの休日。鳳と冬真のデート、そこに乱入してデートを友人達の楽しい団らんの場に変えんとする水無月と雛が追跡して…。
急に冬真の攻め力が上昇している不思議。
いつの間にか水無月が自称ではなく冬真の親友になっているのが微笑ましいです。
雛のアシストも良いのですが、彼女が幼さもあって自分の感情に無自覚なのが今後の火種になりそうで怖いです。水無月とも距離が近づいていますが、余った二人でくっつくみたいな少女漫画展開は勘弁して欲しいところです。

長編。
まずカバーをめくったところの口絵で背筋が冷えました。表紙と見比べて下さい。嫌な予感しかしない。
テロ警備から始まって犠脳体兵器、敵性の狙撃手、特甲猟兵とドンパチする事態に。
鳳の副次兵装って何それ!?滅茶苦茶格好良いのに闇堕ち感が凄いです。
それよりも乙が闇堕ち…ではなくレベル3を転送。妖精がレベルアップして天使(ケルビム)になるの最高最高最高。モチーフの話です。
えっ、今回冷静なの雛だけ…?まずいですね?彼女の活躍としては、エレベーターの爆弾解除で自分の体を支えに使うシーンが好きです。
『オイレンシュピーゲル』のメンバーとチームメンバー交換するのはコラボの醍醐味ですねー。