先日、江戸東京博物館の「大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで」に行って来ました。

日本人は昔から妖怪が大好きで、平安時代から絵巻にしたり、鎌倉時代には地獄を描いてみたり、江戸時代には浮世絵や草子の題材にしたり、現代でもゲームや漫画やアニメの題材にしています。
そういうのを民俗学の観点ではなく美術史の観点から見ていくのがこの展示です。


不気味で恐ろしくて人に害をなす妖怪もいる一方で、どこかコミカルで憎めないゆるキャラの様な妖怪もいます。悪戯者や憎しみに囚われた者、何がしたいのかよくわからない者、それら全部引っ括めて妖怪です。
土偶と妖怪ウォッチのフォルムの類似性とか、目の付け所がいちいち新鮮でした。

個人的には幽霊画が良かったです。真夏にふさわしい、ひんやりとした感覚。振り返ったらそこに「いる」んじゃないか、そう思わせるほどの何か。墨の濃淡で描かれた女性の、口元だけが赤く紅を差しているんですよ。それが一番印象に残りました。

地獄絵図はふんだんに使われた鮮やかな赤い色が目を奪うので、人間が無残に中身を晒しているグロテスク注意画像も多いので、恐ろしかったです。


昼食は敷地内のレストランで採ったのですが、折角なのでと妖怪ドリンクを注文。
飲んでいるうちに色が青〜紫〜赤〜ピンクに変化する変わり者です。クリームと炭酸が混ざった不思議な舌触りでした。青くて大きな氷がクラッシュするのもまた良し。


通常展も見て来ました。
江戸幕府の時代から現代の東京まで、あの一帯の歴史をまるっと網羅。
江戸は埋立地が多いから、現代とは異なる地形が面白く、現代でも残っている地名が興味深くもあり。

江戸時代の物売りの籠を持ち上げてみたり、火消しの旗を持ち上げてみたり、明治時代の人力車に乗ってみたり、実際に当時の暮らしを体験できるコーナーが多かったです。これはお子様連れの方は特にやってみて欲しいです。ちなみに私もやってみたのですが楽しかったです。これ大人でも楽しめるアトラクション施設ですよ…!素晴らしい。
小学校低学年くらいの男の子が人力車の後ろに両親を乗せて、自分がパパとママを運ぶんだーって言っているの超和みました。思わずカメラ役を申し出たくなりました。

それと模型は時間で動くので、見やすい位置取りが肝心です。
もっと人形大きくてもいいんですよ?


あと雑感。

関東大震災で倒壊した浅草のビルの縮小模型、レンガ造りならそりゃ倒れるわな、とか。

大正時代から第二次世界大戦前の時代は歴史の授業でもさらっと終わってしまったので、その時期のことをじっくりと知るのは興味深かったです。
東京にもスラムがあったこととか。

第二次世界大戦のブースになるとどこの博物館でも絶対に戦闘機の音や爆弾の炸裂音がBGMになっていて、恐怖を掻き立てられたりとか。

高度成長期のあたりで「コンレボ…!」ってニヤニヤしたり。時代感大好きです。

ラストをメイド服で〆るのはどうかなーって思わないでもないですが(苦笑)、それも東京も文化ですから仕方ないですね。
ところでメイド喫茶の流行ってもしかして十年前では…とか考えてはいけないのですよ。精神にダメージを受けるのですよ。


というわけで、予想以上に楽しかったです。
通常展と特別展を併せると結構広くて全部回りきるのに時間や体力を使うので、今後行かれる方はお早めがいいかもしれませんね。