「朝だー! 起・き・ろー!!」

「チィはなー、ハッシュに会う前の記憶が無いんだ。でも夢っぽいのは見るぞ! チィが人間の姿してない夢! 意味深!!」

「アカデミーに入学した理由は、手掛かりが欲しかったからだな。思い出さなきゃいけない気がするんだ。別にそんなんなくたってチィはチィだけど、なんか落ち着かなくてなー」

「お腹すいたなー! 今日は何食べよっかなー?」

「どうした!? 回復魔法要るか!?」

「よぉー! 久しぶりだなー!! あはは!!」

「剣を振る時はー、こう、グッってやってブワッて。――違う! それじゃグッでドンッだろ!? ブワッだ、ブワッ!!」

「あはは、面白いやつだなー!」

「なー。言った通りだろ? なー!」

「スゲー! やっぱりハッシュはスゲー!!」

「なーハッシュ、今日はチィがご飯作るからな! 楽しみにしててな!!」

「体の作り方も、剣の使い方も、みんなハッシュが教えてくれた! でもチィは盾重くて持てないから、両手剣の使い方はほっとんどヘリオスに教えてもらってた!! ヘリオスの方が教え方上手いな? ……って泣くなよハッシュ!?」

「ハッシュはちょっとバカなとこもあるけど気のいい奴だぞ。だからあいつを信じて着いて行ってくれないか? プラチナにしか任せられないんだ」

「プラチナがまたテロルとケンカしてる……」

「テロルのいるとこはトラブルが巻き起こるからなー。類友なー?」

「ジンクー! おみやげ!! あのな、立派な剣みたいなんだが錆びてるんだ。鍛え直すことできるか?」

「おい大変だジンクが喋った!!」

「ヘリオスー、このちっこいのと犬って誰だ? おまえ相変わらず犬好きだなー」

「フィルいるかー!? 買い物に来た!!」

「慧羽ー! 魔法使う時は呪文唱えろ!! おまえの呪文は『今から広範囲焼き払うから敵も味方もみんな逃げてね!』って意味だかんな!? いきなりぶっ放すの禁止!!」

「危険が無いって慧羽が言うなら、チィはそれを信じるぞ」

「ユウ! そっちは任せた!!」

「チィもユウみたいに勉強に前向きになりたい……。昔は何でも楽しかったんだけど、今は算術で躓いててなー」

「瑞華は何したらそんなにデカく育ったんだ? 身長が」

「あのな、瑞華。ちょっと相談に乗ってくれないか?」

「チィは何者なんだ」

「相部屋になってくれ、ださい!」

「ありがとな! ……違った、ありがとございました!! だな!!」

「遠慮とか、敬語とか、チィには色々難しいなー」

「お、おう。チィにはちょっとわかんないな?」

「うぉー! 肉焼きはまかせろー!!」

「うるせえ、こっち来んじゃねえ!! あっち行けばかやろ!! けえれ!! ぎゃー!!」

「教会のチビ共がチビじゃなくなってたー! チィ、負けた気分だなー!!」

「おいおまえら、魔物とはいえ殺した後に死骸を放置するなよ。腐ったら大変だとか、それ以前にな、殺した相手は弔え」

「記憶を取り戻したら……どうする? チィはどうしたかったんだっけ?」

「記憶喪失が治ると、代わりに記憶喪失中の記憶が消えるって聞いたなー。チィもそうなるのか……?」

「ハッシュがくれた名前が好きだ。今のチィが好きだ。みんなが好きだ。みんな大切な人達だ。チィもみんなと同じ時間を生きたかった」

「竜族は代々親の記憶を受け継ぐんだ。思い出した……全部、な」

「周りのコイバナにピンとこない理由がわかった。そもそも種が違うんだ。親愛を抱くことはあっても、恋情など抱く筈も無かった」

「まだ上手く力を使いこなせないなー……」

「『力を持つ者には責任がある』ってレイが言ってた。だからチィも決めなくちゃいけないんだ」

「角が消えない!? あわ、あわわ……どうしよう、どうすんだこれ!?」


ハッシュの影響で男口調。
快活でハキハキしている。一人称が自分の名前のため、幼い印象。語尾に「な」が付くことが多い。
怒ると語気が荒くなる。