千織とルカの話。


千織の最初期コンセプトは「ラノベとかギャルゲの主人公によくいるやれやれ系」だったりします。ラノベ展開を女がやったらどうなるか、みたいな感じで書き始めたのが最初。
だから千織は一人暮らしで、隣に住んでる幼馴染みに起こしてもらって、あまつさえお弁当も作ってもらって、ことあるごとに世話を焼かれてついでに面倒にも巻き込まれるキャラなのです。本人がやれやれしている(その実満更でもない)ところまで含めて。
ただ、こういうやれやれ系主人公って読者からかなーりうざがられるんですよねー。これは性別を女にしたことで多少緩和されていると良いのですが…。


そもそも中三で一人暮らしってどうよ、と思ったのでバックグラウンドをば。

千織の両親は同じ職場で働いています。両親はプロジェクトの都合で数年間海外に行く予定がありました。その間は祖父に保護者になってもらうつもりでした。しかし千織が中二の時に祖父が急逝します。両親は千織を一人日本に残すのは心配で連れて行こうとしましたが、お隣の高槻さん一家が保護者役を買って出たので任せることにしました。
基本的に千織は家事全般やっています。たまにお隣から差し入れを頂いたり、夕飯に呼ばれたり。三者面談の時などは高槻さんちのおじさんかおばさんのどっちかに来てもらいます。

ルカは同い年ということで親達の予定では様子見役のはずでしたが、今ではすっかり世話焼き係です。


実はこの二人、出会った当初は仲が悪く、喧嘩ばかりでした。
二人が出会ったのは幼稚園の頃。千織の両親が家を空けることが多くなったので、幼い千織は父方の祖父の家で暮らすことになりました。
慣れない環境に緊張していた千織にルカがしつこくちょっかいかけて、千織がそれを普通に断るなら良かったのに必要以上にキツくなって、ルカもムカッとなって、お互いに「なんだこいつ」ってなって、翌日幼稚園の教室で再会してお互いに「げっ」ってなりました。ベタな転校ネタですね。
千織が「実家に帰りたい」「前の街で通っていた幼稚園の友達に会いたい」と連呼して、今の環境に全く溶け込もうとしないのにイライラするルカ。でも何故か無視出来なくて挑発を繰り返します。
ルカが絡んでくるのが鬱陶しくてたまらない千織。無視してもしつこい上に、家が隣だから必然的に一緒にいる時間が長くなるという。
まあ大体千織が先にキレるんでしょうね。
子供同士の意地の張り合いが積み重なり、ついに二人は大喧嘩に発展します。で、千織の祖父に「仲良くなるまでそこにいなさい」って物置に閉じ込められて、真っ暗な中励まし合ったり等々するうちに仲直りし、それ以来一緒に遊ぶようになりました。

小学校時代は大体いつも一緒。現在の関係に近い形でした。

中学に入ると、クラスや部活が別になり、別の友達が出来たり、勉強や部活や委員会や家事等々さまざまな事情で忙しくなり、中々会えなくなりました。そうして二年くらい疎遠になっていたのですが、上に書いた通り千織の祖父の他界によって再び会話するようになりましたとさ。
丁度クラスが同じになったのをいいことに、さながら今までの空白を埋めるように一緒にいるのが現在です。