モダンタイムス
[読書日記]
※ネタバレ注意
話題:読書
伊坂幸太郎の「モダンタイムス」を上下共に読み終わった。
伊坂は文庫化するにあたってよく加筆・修正を行うそうですが、今作も文庫化にあたりかなり改稿が行われたようです。
物語は「魔王」から約50年後の話。
同時期に「ゴールデンスランバー」が書かれていたため、ゴールデンスランバーとは対のような作品になっています。
ゴールデンスランバーが見えない巨大な敵から「逃げる」話だとすれば、モダンタイムスは「立ち向かう」話。
―実家に忘れてきました。何を?勇気を。―
という文から始まるのが印象的でした。
「重力ピエロ」の「春が二階から落ちてきた」という始まり方を思い出した。
主人公のシステムエンジニア渡辺拓海はこの作品の中で何度も「勇気はあるか」と問いかけられる。
そして「そういうことになっている」という答えも何度も登場する。
「勇気はあるか」「そういうことになっている」それを訴えかけたい作品なんだろう。
上は読むのに時間がかかってしまったけれど、下は上よりも分厚いのに早く読み終わった。
上は一冊丸々伏線といった印象。
登場人物達が格好良かった。
渡辺拓海の妻の佳代子、拷問のプロ岡本猛、渡辺の上司でシステムエンジニアの五反田正臣。
この3人が特に格好良かった。
岡本猛に関してはやってる事としては悪人なんだけど、良いヤツに見える。
こういうキャラは伊坂は得意だなと思う。
佳代子さんはさん付けしたくなる格好良さ。
美人で華奢なのにおっかないほど強い。そして恐い。一体何者なのか。
そんな謎めいたところも魅力的。
こんな女性になりたいですね←
追記は本格的にネタバレ注意
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14.5.10 11:44 Sat
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