悪臭を放つ前に
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2012/6/27 Wed 23:47
レバ刺し。


「レバ刺し今月で販売停止なんだって。その前に食べに行かない?」

給料日前にコウからの電話で販売停止を初めて知った私はあわてた。

「え、販売停止なの?どうして。食べに行きたいけどお給料入ってからでもいいかな?」

「ほら、食中毒だっけ、この間あったでしょ。それでみたい。俺も給料日後じゃないとキツいから27日に行かない?」

段取りよく日程が決まる。私のスケジュールはコウを中心に決まっていると言っても過言ではないだろう。

久々に食べたレバ刺しは記憶にあるほどの美味しさではなかったがプリッとした食感と甘味が口の中に広がった。

お互い無言で箸が進む。しかし顔を見れば目尻が下がり、口元がゆるんでいる。私も同じ顔をしているのだろう、コウが満足そうにこちらをみている。

「もう食べれなくなっちゃうのかぁ。」

コウがしゅん、とした顔でつぶやく。一緒にいるときの無防備で、コロコロと変わる表情に思わず頬を撫でる。

「仕方がないでしょう。」
「日本は何でもかんでも規制しすぎだよ。もっと規制すべきところが他にあるのに。」

むくれる彼も愛らしい。

常々思う。食事は一緒に食べる人によっても味が変わる。

食の好みが似ている、ということもあるのだろう。コウとの食事は楽しい。そして美味しい。


追記にてお返事を。


話題:今日の晩御飯


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