お題:止まった時計(オリジナル題)
@の続き。
話題:140文字小説に挑戦!
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「歯車が狂い出すきっかけなんて、些細なもの」ちょっとした弾みで簡単に狂い始める。最初は小さかったズレが、次第に大きくなり取り返しのつかないことに発展することだってある。「友達の事故は災難だったね」彼女の話を聞いた占い師は静かに答えた。「でも時計が元に戻っても、過去は変わらないよ」
時計が再び動き出したからと言って、既に失われた時間や関係を戻すことはできない。変わることができるのは「時間を止めてしまったあなただけ」。占い師から放たれる静かな宣告に、覆っていた手を下ろした彼女の瞳にどんどん涙が浮かんでくる。針が止まったあの日から、彼女は現実から目を背けてきた。
18/02/18 23:44
140字形式