学校へ向かう早朝の電車の中、終点の一つ前の駅を出て、いつものごとく淡々と読み上げられる車内放送。

まだ少し眠気を引きずる意識を引き上げた。


終点のほんの少し手前で、いつものように電車はゆっくり速度を落とし、線路の途中で停止する。

いつものように列車の通過待ちを知らせる放送が入る。


かと思いきや






「扉が閉まります」






開いてたの?




前の駅出てから三分ぐらい普通に走ってたのにね。



まぁ、そんなことがあるはずもなく。

すぐに冷静な声で「失礼しました」と放送が入る。



私としてはそこはちょっと焦ってほしかった。


「…あっ…え、ええとっ。し、失礼しました!」


みたいな感じであたふたしてくれたら可愛かったのに。