普段零時半には寝ているはずの私がどうしてこんな時間に起きているのか。一度寝たはずがなぜ今布団の上でもだもだしているのか。
そしてなぜ私の眉間は腫れているのか。
それはすべてヤツのせいです。
そう、虫に文と書くヤツの。
文はあのぶーんという音からきてるんだとか。そうそれ。私を起こしたの。
ぶんぶんっていうと蜂の童謡思い出すけどそんな可愛いもんじゃない。嫌な音。もう遺伝子レベルでサイレンが鳴り響くんじゃないかってぐらい嫌な音。

しかし跳ね起き電気をつけても姿は見当たらず。
できるものなら捕まえて説教したい。昨日もろくに眠れていない私の安眠を邪魔するあまつさえこんな顔のど真ん中刺さなくてもいいだろう。
音はすれど姿は見えず。待つうちどんどん目は冴えてくる。漠然ともう引き返せない予感がする。あの安らかな眠りには戻れない。
そして音源を発見、素早く攻撃に移り一撃で対象を撃ち落とす、も、ティッシュティッシュともたもたしているうちにヤツの姿が消える。探して見ても落ちてない。どうやら気絶してただけらしい。
しかしダメージは負ったらしく音がしなくなったのでとりあえずムヒを取ってきて眉間に塗る。あのスッとする匂いでますます眠りから遠ざかる。

そうしてさっき、諦め本を読み出した私の前を性懲りも無く通過するヤツを発見。一撃の元に沈めました。
あとは睡魔が訪れるのを待つのみ。眠れるのが先か、空が白むのが先か、な現状。
もうこんな季節なんですね。