2020/7/15 Wed 03:44 [ 0 ]


色々な家庭があると思う。
僕はあまり家庭に恵まれなかった方だと今でも思う。
恵まれない家庭でも頑張っている人はたくさんいるし、昨今のニュースでは子供が親に殺されてしまうような悲惨な家庭がある事も分かっている。
それでも僕は、周りと違う家庭環境が嫌だった。

僕の父は頭が良かった。勉強が出来るというよりはずる賢いというか、理屈っぽい人だった。おちゃらけて周りを笑わせる人だった。
それ以上に、てんでダメだった。仕事は続かないし、ぐうたらでだらしなく、子供以上に子供だった。
赤子の僕が自分になつかず、祖父母になついた事で嫌がらせが始まった。次第に虐待になり、6歳で両親に離婚して欲しいと思う様になった。故に親離れは早かった。
妹が出来て、父は溺愛した。そのうち妹とグルになって嫌がらせをされた。成長するに連れて、虐待も酷くなった。誰にも言えないままだった。
母は真面目で毎日働き詰めだった。学力ばかりを気にして、成績が下がれば怒られた。教育ママだったと思う。何をねだっても買って貰えず、何処にも遊びに行けず、自由に遊ぶ同級生が羨ましかった。そんな母は父の態度に気付く事もなく、打ち明ける事すら出来なかった。一度だけ打ち明けたが、父がそんな事をするはずがないと強く言い返されて、諦めた。
夫婦仲は悪かった。だらしない父と真面目な母では合わなかった。怒鳴り合ったり、人形ケースが飛んだり、物に当たったり。子供がいるというだけで仮面夫婦だった。
成人してから少しして、離婚した。今年で11年経つ。 母は金輪際縁を切ってくれと言い、今後は実家を頼る様に言って、父も承諾して出て行った。職場の都合もあって近所に引っ越して行った父とはたまにコンビニで会ったが、交流は無かった。妹は何年か親しくしていた様だが、いよいよ父の本性を見たのか距離を置くようになった。

去年、妹に金を貸してくれと連絡が来た。妹に相談されたが、僕らは母と同居している出前、あまり接点は持たない方がいいと言った。
状況が状況なので、なんとかして父方の兄弟と連絡を取った。父の両親はとっくに他界していて実家は弟が継いでいる。父の妹も実家の傍に住んでいた。父は兄弟にも連絡していたが断られたそうで妹に連絡してきたそうだ。以前から兄弟間で確執があり、父を腫れ物扱いしてきた彼らは子供である僕らに責任を押し付けようとして来た。それから数日後、生活保護の用紙が届いた。父の扶養確認だった。例え法律がそうであったとしても、あの父を養う気はなく、拒否した。

今日になって母方の叔母が働く病院から妹に連絡があった。不信に思い妹も折り返したが、お互い話が噛み合わず用件が分からず仕舞いだった。
それから父の妹から連絡があったそうだ。緊急入院したそうだ。父の弟は病院に「関係ないから子供に連絡してくれ」と言ったそうだ。父の妹を介し、父の弟とやり取りをしていた様だが、結局2人とも面倒は見たくないから、法律を盾に子供のお前らが面倒を見ろと脅して来た。お前らが責任取らないとお前らの従兄弟まで責任が及ぶという謎のメッセージと共に。

僕自身、去年の態度でこうなる事は分かっていた。出来れば父の実家に話は通さず行政に介入して貰おうと考えていた。

法律がどうの、と言われるとあれだが、僕同様、散々父に虐げられてきた高齢の祖母がいる。未だに父を憎んでいる。更に母方の親戚で心配事があり、体調不良に陥っている今、こんな話が耳に入ったら確実に倒れる。
母と妹と3人で話し合いを持ち、こちらの意志をはっきりさせる事にした。母は終始、縁は切った、関係ないと繰り返したが、問題は母ではなく僕らだった。

母方の叔母が言うには、背中に大きな腫瘍の様な物が出来ていて緊急手術をしたそうだ。重度の糖尿病を患っており、今まで治療を放置していたため治る見込みもないという。何ヵ月も風呂に入っていないような姿だったという。

2年前に定年退職し、自堕落な生活をしていたのだろう。金もあるだけ使っていたし、生活に困窮して風呂にも入らなかったのかは分からない。健康保険証すら持って居なかったそうだ。

ざまあみろ、とは思わない。でも、面倒は見れない。

父が先に実家に連絡して欲しいと言ったのか妹に連絡して欲しいと言ったのかは分からない。ただ、実家があるのに僕らに頼る道理が分からない。父は婿だったから、離婚して実家の牲に戻している。いくら実家が近くではないからと言って、実家の人間が何もかも押し付けるのは違うと思う。それに車だったら45分で来れる距離だ。
子供を強調する割には父の兄が死んだ時、その子供に連絡をしなかった連中がよくも言えるものだと呆れる。

父もまた恵まれない家庭だったのだろう。兄弟からも嫌われて、拒否されて、どういう気持ちでいるのだろう。父の弟も父を嫌う理由は分かる。それでも頑なに拒む理由を聞きたい。

金銭的余裕も介護する余裕もない中で、一方的に押し付けられた父をどうすべきか悩んでいる。都合良く法律に絡め取られてしまうのだろうか。

僕はあまり家庭に恵まれなかったと今でも思う。父の暴力と身勝手に振り回されて、まだその渦中にいる。その半分の血は僕を死ぬまで苦しめるのだろう。

それが貴方の生き様だったのですか?

家庭崩壊のその先

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