11/02/28 01:16:(0):
▼恋は戦争 (過去のおはなし):
恋は戦争 さん


(※前記事
恋は戦争 にー の続きです)



まさに思考停止状態
まわりの声が
忙しい店の雰囲気が
遠くに感じられた


大丈夫なの?
そう問いたい、でも

わたしのあたまの中には
ぐるぐると


「おれ、冷めたかも、しれんわ」
「1週間、考えさせて」


Kのつめたい目と台詞が
フラッシュバックして

わたし
フラれるの?フラれないの?
いま目にどう映っているの
もう…決めてしまった?

それが、わからないまま


…彼女気分で、わたしは
心配の、声をかけていいの?

そんなの間抜けだよ
でも心配だよ

だってその手は…



ほんの数秒の間に
たくさんのことが駆け巡った


ちらりと見た
Kの眉は下がっていて
少し困ったように
笑っているようだった


ねえ、それって
どうゆう、顔…?
どっち?
期待、してしまうよ



いつの間にか
結局声にならなかったわたしの横で
先輩が心配の声をかけた

いつ、どこで、どうやって


わたしが言いたいこと
聞きたいことを先輩がすべて
してしまった

それをただ隣でわたしは
聞いていた、

他人のようだった
彼女なんて事実、目に見えないものだ
そんなことを
ひとり考えていた


やがて、店長が現れて
店の奥へとKは入っていく

少し視線を感じて
でも顔をあげれなかった
ほんとうに、
どうしたらいいか
どんな顔をすればいいか、
わからなかった


嘘でも、嘘でも
わたしを優しく抱きしめて
あたまを撫でてくれた
あの手が

痛々しく腫れ上がっている姿を
ただ横目で追いかけた






(手術、がんばってね、指以外無事で、よかったね、声が聞けてうれしい、ぜんぶ言えなかった)

 


  
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